歯周病治療1 ~今までは治りにくい病気でした~

歯を失う大きな原因はご存知のように「虫歯」と「歯周病」です。「虫歯」は意識の向上や治療技術、器材の目覚しい進歩により克服され「虫歯だらけ」といった状態はほとんど見かけなくなりました。

こんどう歯科クリニックでも開院以来、歯科衛生士たちとともに歯周病の治療に全力を挙げてきました。

自分の歯を維持するうえで「歯茎の健康」は絶対に避けては通れない事なのです。 しかし歯周病の治療は虫歯治療のようには行かないのが現状です。

当院にいらしゃる患者さんも歯はきちんと治療されている方がほとんどですが、歯ぐきの痛みや不快症状でお困りの方が非常に多くなっています。

どうして歯周病の治療成績が思わしくないのでしょうか?

その理由を私たちなりに考えてみると、

1.虫歯と違って見た目で判りにくいので発見が遅くなる

2.末期になるまで痛みが出にくいのでついつい後回しになってしまう

3.歯磨きが大切なのは分かっているけど忙しかったりして毎日続けるのはしんどい

4.歯医者に行くと抜かれてしまいそうなので怖くて行けない

5.治療内容が分かりにくく、時間も長くかかりそう

もっと理由はありそうですが、多くの方々はこういった心境であろうと思います。

歯ブラシ

当院でも開院以来、歯科衛生士とともに全力を挙げて歯周病治療に取り組んでまいりました。

歯磨き指導、歯石の除去、歯肉の手術など様々な手を尽くして治療してまいりましたが、良くなる人、そうならない人、再発を繰り返す人、途中であきらめる人など結果は様々でした。歯周病治療は虫歯と違い医療サイドが確実な施術を行えば、良い治療結果が得られるというわけには行かないようです。

治療の良し悪しが患者さん自身の「歯磨きの、うまい下手」に極めて大きく依存している

この当たり前のようで深刻な理由に医療者、患者さんとも四苦八苦してきました。

確かに健康感の高い人、手先が器用で歯磨きの上手な人、時間がゆっくり取れる人は歯周病を治せます。しかし、みんながみんなそう言うわけには行きません。

熱心なのにうまく歯が磨けない人、病気で入院したり、仕事が激務で生活リズムが落ち着かない・・・など日常の波動は様々で、多くの場合「ハイレベルの歯磨き」を永続することは困難なことが多いようです。

しかし、こういった「ごく普通の方」であっても歯周病を何とか治せるよう当院の歯科衛生士たちはまさに苦闘してまいりました。

そして努力の甲斐あって患者さん、衛生士ともお互いが満足できる結果を出せることが非常に多くなりました。

また、一方では体調の変化で再発したり、忙しくて歯を磨く余裕がなく症状が悪くなってしまう方も少なからずいらっしゃいました。