そうだったのか、インプラント治療~①まずその歴史を知りましょう

皆さんも「インプラント治療」ってどこかで一度は聞いたことあるとが思います。
ここ10年は正しい情報が行き渡り一般的に広く行われるようになってきた治療法です。インプラント治療とは「歯のなくなった部分にチタンなどで出来たネジを埋めこんでそこに新たに歯を入れる」というものです。

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歯のない部分にチタンのネジを埋め込みそこ上に歯を被せます

文献などによるとかなり大昔から世界中でインプラント治療のようなことが試みられていたようです。獣骨や金属、抜けた自分の歯までを活用して腕に覚えのある当時の歯科医が(そんな業種があったかどうか・・ )創意工夫の限りを尽くしていたのでしょうか。いつの時代でも歯を失った人の苦痛は耐え難っかったのが想像できます。しかし、残念ながら医学的に見てもその多くは長期使用にはとても耐えられなかったはずです。

さて、現在広くおこなわれているような 「骨結合インプラント」のシステムが登場しておおよそ40年くらい経ちました。私が大学を卒業した20年以上前は、インプラント治療も日本ではまだ少数派でした。

当時行われていた第1世代、第2世代のインプラントはトラブルが多発したこともあり、「インプラント治療はちょっとまだ」という歯科医が多かったようです。「骨結合インプラント」もぼちぼち出ていましたが、何せ日が浅いので大多数は半信半疑といった感じでした。

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脱落したインプラント

駆け出しだった第1世代、第2世代のインプラントの多くは残念結果に

その後月日は流れ、今世紀に入って来ると20年以上も良好な状態の「骨結合インプラント」症例が世界中から次々報告されるようになってきました。

この「骨結合インプラント」が今までと決定的に違うのは「骨に結合し生体と一体になれること」です。これが言うなれば第3世代インプラントです。それまでのものは生体には異物と判断され早晩排出され抜け落ちました。

パソコンや携帯電話も何代も世代交代してようやく現在のものになったこと似ていますね。現在のインプラントはこの第3世代インプラントから発展し、改良が加えられ今に至っています。

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 第3世代のインプラントは「骨結合型」
現行のインプラントは全てこれを基本にしています

近年、「歯周病治療」の進歩と「再生医療」の登場によりインプラントは確実な治療法して高く評価されるようになりました。インプラントだけでなく歯ぐきや骨など周囲の組織を含めて包括的に治療が行われるようになり、予後の安定、適応症の拡大につながっています。

そしてここ数年の急速な普及のきっかけは「デンタルCT」の登場にあります。手術部位の鮮明な断層映像があることで手術が極めて安全、確実に行われるようになりました。ここにいたってインプラント治療のインフラは確立されたといって良いでしょう。

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歯周病治療の進歩、再生医療の登場、デンタルCTの普及によりインプラント治療の確実性は飛躍的に向上しました。

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