「風邪は治るけど歯周病はなぜ治らないの」
「5
年前に入れた差し歯が繰り返し外れてついに抜歯になったけど、インフルエンザは10年前に罹って以来平気です」

歯

~ こんな事をよく耳にしますが、そこには理由があります~

皆さんもお医者さんにかかるとまず検査をし、その後多くの場合は薬が処方されます。
そこには 検査→ 診断→ 治療法 といった流れがほぼ確立しているのです。

例えば風邪であればウィルスはほぼ同じですし、症状も誰も似ていますから薬など治療法もどの先生に診てもらっても同じになります。そしてウィルスがいなくなれば風邪は自然と治ります。

ところが虫歯はかなり勝手が違います。 検査→ 診断→ 治療法 といった流れはあっても治療法は様々です。

虫歯でも簡単に詰めて終わるものもあれば、銀歯になったり、神経を取ったり、抜歯になってしまうものまで色々です。虫歯一つでもどうしてこんなに治療法が違うのでしょうか。

そこには「個人差」が大きく関係してくるからです。風邪の場合特殊な場合を除いては「身体の個人差」はそんなに大きく治療法に影響しません。

風邪の具合を見てみる

むし歯・歯周病の場合

骨折や怪我は治療すれば治癒します。その後また同じところが骨折したり 治った傷が再び悪化したりと言うことはそんなにはあり得ません。また、薬を飲んで風邪が良くなったのにすぐまた風邪を引くなんてことも基本的にはありません。 しかし、歯科では、歯槽膿漏で何度も歯ぐきが腫れたり、くっつけた差し歯が繰り返しはずれたりすることは珍しくありません。
この違いはいったいどこにあるのでしょうか。

歯科では病気の原因が自分の体内にあることがまず大きな特徴です。

例えば風邪や怪我はウィルスや事故などの外からの原因で起きますが、 虫歯や歯周病は自分のお口の中にいる細菌や咬む力などが原因でそれは元々体の中に存在するものです。

むし歯・歯周病の場合
このため原因の根本的な除去が難しく繰り返し発症するのです。さらに骨や肉は自然とくっつきますが、歯とその周囲の組織は壊れると再生できません。症状を重ねるたびに歯や歯ぐきが壊れ少なくなっていくので前より治りにくくなるのです。

さらに治療は、細菌や咬む力などコントロールできない内部要因の攻撃に常に晒されているところで行われています。言ってみれば「常に暴風雨が吹き荒れるジャングルの中で、虫や腐敗と戦いながら家を修理している」 これが歯科治療の姿です。

一般の病気

そんな環境に建つ家では常に修繕が必要になります。吹き荒れる風の強さや家の丈夫さによって修繕の度合いや回数に違いが出ます。

この様に歯の場合は「個人差」で治療法が決まるといっても良いくらいです。ごく普通に皆さんのお口の中はこんな過酷な環境にある訳ですから、放っておけば歯ぐきは腫れを繰り返しますし、差し歯は何回も脱落をするのです。 

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