歯科医学の進歩のスピードに健康保険制度が追いつけない

 Dentalmirror

ご存じのように歯科治療は

1、健康保険で出来る治療

2、自費でお金を払って受ける治療

この2本立てになっています。基本的な治療は健康保険で出来る仕組みになっていますし、当院にお見えになる患者さんのほとんどは健康保険での治療を希望されています。

「保険の治療は質が悪い、長持ちしない」といったことを時折耳にしますが、決してそんなことはないと思います。大切なのは「歯科医療に注ぐ情熱」でありそこに金額による格差が生じることはふさわしくないと考えています。

医療の根本

「困っている人をまず何とかしてさしあげる」これが医療の根本にあるはずです。

私は歯科医療に携わって20年以上になりますが、20年前と現在を比較すると年々健康保険の適用となる治療範囲が拡大するどころか縮小する傾向にあると切に感じます。
一方、この20年の間に歯科医学は革新的な進歩を遂げました。

満足できる歯科医療

さらに現在の日本は物質的に非常に豊かになり、文化的にも多種多様な価値観が混在します。
しかしながら、このような便利で快適な社会で暮らす皆さんが「満足できる歯科医療」を健康保険制度内では自由に受けられないのも無理からぬ事実です。

自費診療の代表例としてインプラント、矯正治療、セラミックスの白い歯などが頭に思い浮かぶと思います。その他、歯ぐきの再生、虫歯、歯周病の検査や新しい治療術式の開発、高品質の治療材料の登場等もあります。矯正治療もインプラントを応用してめざましい進歩を遂げています。
このように少し前には「出来たらどんなに素晴らしいだろう」と思っていた治療が当たり前に出来つつあります。

例えばインプラント治療の普及により患者さんは入れ歯の煩わしさから解放され、何でもおいしくいただけるようになりますし、噛み合わせのバランスも良くなり他の歯も長持ちするようになります。厄介な歯周病も現状よりはるかに治りやすくなるのです。

しかし、現在はこれらのほとんど全てが健康保険の適用外となっているために、患者さん全員がその恩恵に浴することは難しいのが実状です。もちろん保険証により国民が最低限の医療を受けられるこの制度は、素晴らしいものであることは誰もが認めるところです。 

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